石垣島で出会ったヤハタくん。
子供の頃は東京で野球少年だったらしい。その後高校でアメフトをやり、アメフトのために大学に入ったものの、コーチと合わずに途中で大学を辞め、どうしようかなーーー?と、思っていたいた頃、新聞で八丈島の素潜り漁の話を読んだのだそうです。
その漁師に会いに八丈島へ行き、会ってもらえず、港でキャンプしていたら別の漁師に出会う。
「潜って魚をとるとこを見せてください」
「おまえ、泳げるのか?」
「はい!」
「じゃあついてこい」
というわけで、なんと2時間以上も海を泳いでついて行き(最終的には6時間泳いだらしい)、沖で深さ20メートルの底にいる魚をスーーーっと潜っていって着地し、そっと魚の背後からせまって銛で突き、スーーーーっと水面にあがってくるまでの間に活け〆をして血抜きまでしているのを目の当たりに見て『脳が震えた』くらい感動したそうなのです。
それ以来、毎日素潜りの練習をし、沖まで行く道具としてシーカヤックを使い、どんどん高級魚が突けるようになっていったそうです。
ところが、スーパーに行って魚売り場を見ると、自分で捕っている魚と売られている魚は全然違う種類ばかり。
いったいこれらの魚は、どこで誰がどうやって捕っているのか?
それを知りたくなり、全国を渡り歩いて漁師さんに漁に連れていってもらい、ありとあらゆる魚を漁して歩いたそうです。
それ以来、『潜れる海があれば、死なない』というのが彼のキャッチフレーズです。
庭には島胡椒、月桃、オクラ、ゴーヤ、トマトなど、島では植えておけばどんどん育つ野菜が採れるし、潜れば魚が捕れる。
もちろんシーカヤックでキャンプするツアーを主催しており、ちゃんとした収入もあるのだけれど、とにかくやりたいことというのは、シーカヤックで移動し、潜りながら世界中のまだ見ぬ海辺を見て回りたいということ。
すでに、ニュージーランドからインドネシア、台湾からフィリピンなど、国と国の間を横断したりしているのですが、一番大変だったことはなに? と聞くと、
「出国審査と入国審査かなー?」
だって!
そうだよねー田舎の岸辺に入国管理官はいないもんなー。
まあ、とにかく素敵な青年です。
見渡す限り、海以外何も見えない波の上で迷わないヤハタくんと、砂以外何も見えない砂漠で迷わないシュウセイさん。
この二人の共通点は、そのほっそりした長身の身体と、スーっとまっすぐな棒みたいな脚。
ふくらはぎや胸板や、そんなところにいかにもスポーツやってますみたいなムキムキの筋肉はいっさいないのでした。
どうやら同じ星から来たのかもしれません。。。