盛況のうちに終わったイベントでしたが、ショッキングなことがひとつ。
私たちのブースの裏側に、何店かのペットショップがいわゆる『生体』を販売しにきていて、その数も1店が50頭くらい連れて来ているのです。
犬たちは、立つこともできない高さのかごに入れられ、ものすごい喧噪の中疲れきって眠っています。
ビーグル1万円。バーニーズマウンテンドッグ2万円。ラブラドールレトリーバー2万円。トイプードル3万円。
どの犬の札にも1万円引き、2万円引き…と叩き売り状態の赤文字が並んでいます。
大きくなってしまったラブラドールの女の子が、座っていても頭が上がりきらない高さの天井のゲイジの中から私を見つめます。一生懸命話しかけても、人と目を合わさないようにするホワイトシェパードもいます。
イベント終了後、売れなかった犬たちはもっと背の低いゲイジに入れられ、トラックに積み込まれていきます。ゲイジに入りきらなかった犬たちはまとめてダンボール箱に。子犬は首をつまんで後ろへポンポン投げられています。
The Parkのナカムラさんによると、「子犬を見ると、札束に見える。こいつがどれだけの札束に変身してくれるかと思うと、可愛くてしかたないよ!」と言った業者さんもいるそうです。
ここで売れた犬はまだハッピーだけど、売れなかった犬たちはまた他の場所で毎日同じように人目にさらされ、奪い合ってけんかしながらドッグフードを食べ、だんだん大きくなって売れないまま大人になってしまったら一体どんな運命が待っているんだろう?
犬の社会にもこんなにも格差があり、自分たちの力で自分たちの運命をきめることすらできず、生まれてくるってこんなもんなんだ…と思いながら一生を終える子たちがこんなにいるとはかなりのショックです。
100万円払うから全員ください、と言って、逃がしてあげられたらどんなにほっとするでしょう。でも、その後一生責任を持って幸せに育てていくためにはもっとたくさんのお金や土地が必要ですね。
あの子たちのために少しでも、何かできることはないのかと考えさせられた一日でした。